"■まとめ
「沢田マンションは」、通常の設計・施工プロセスに則っておらず、また法的規制からも逸脱している。それゆえにこそ非常に個性的な空間構成・運営形態を獲得し得たといえる。多様な住戸バリエーション、開放的な開口部、大きく取られた共用通路などは居住者が生活形態を選択しうる余地を持った構造となっている。
居住者には経済的事情などで転出が困難なため住み続けている者、家賃の安さや立地の利便性などから入居した者、「沢田マンション」に積極的な関心を持ち入居した者などがおり、それぞれの居住者は住戸や住まい方を自ら選択して住むことが可能になっている。
マンション内転居は、そのような背景を伴って発生し、「沢田マンション」という賃貸集合住宅における持続的な居住を可能としている。これは、これからの集合住宅活用の有り様を考える上で示唆的である。
これらは基準法と経済原理の下では実現することがなかったであろう、大規模かつ持続的な実験であったと捉えることが出来る。この検証を通じて得た知見は、これからの集合住宅を考える上でのヒントになるだろう。
また、ユニークな自力建設建築は数多くあるが、「沢田マンション」では沢田嘉農氏独自の住居観と合理性の素直な発露であり造形的な遊びや表現欲にまみれていない所が清清しい。沢田夫妻に生き方そのものが、見るものに「人間はここまで出来るのだ」という驚きとエネルギーを発しており、空間の形式や建設・運営の手法以上に人を魅了している。"
「沢田マンションは」、通常の設計・施工プロセスに則っておらず、また法的規制からも逸脱している。それゆえにこそ非常に個性的な空間構成・運営形態を獲得し得たといえる。多様な住戸バリエーション、開放的な開口部、大きく取られた共用通路などは居住者が生活形態を選択しうる余地を持った構造となっている。
居住者には経済的事情などで転出が困難なため住み続けている者、家賃の安さや立地の利便性などから入居した者、「沢田マンション」に積極的な関心を持ち入居した者などがおり、それぞれの居住者は住戸や住まい方を自ら選択して住むことが可能になっている。
マンション内転居は、そのような背景を伴って発生し、「沢田マンション」という賃貸集合住宅における持続的な居住を可能としている。これは、これからの集合住宅活用の有り様を考える上で示唆的である。
これらは基準法と経済原理の下では実現することがなかったであろう、大規模かつ持続的な実験であったと捉えることが出来る。この検証を通じて得た知見は、これからの集合住宅を考える上でのヒントになるだろう。
また、ユニークな自力建設建築は数多くあるが、「沢田マンション」では沢田嘉農氏独自の住居観と合理性の素直な発露であり造形的な遊びや表現欲にまみれていない所が清清しい。沢田夫妻に生き方そのものが、見るものに「人間はここまで出来るのだ」という驚きとエネルギーを発しており、空間の形式や建設・運営の手法以上に人を魅了している。"
— CiNii 論文 - 5685 住みこなしと社会的位相に関する考察 : 沢田マンションのなりたちと生活空間 vol.3(参加型居住,建築計画II)